金(GOLD)テクニカル&ファンダ分析:高値圏レンジでの戻り売り戦略とブレイクシナリオ【2025年11月5日】

gold分析_20251105 AI分析

本記事は、わたしが自作したMT5のインジケーターとChatGPTを組み合わせた独自のテクニカル+ファンダメンタル分析の結果となります。内容はデイトレ・スイング目線の分析となります。

関口
関口

📢 注意喚起

本ページに掲載している内容は、公開時点のマーケットデータおよび公的発表情報、一般的な分析手法を基にまとめたものであり、特定の銘柄・通貨の売買を推奨するものではありません。

暗号資産(仮想通貨)や外国為替取引は価格変動が非常に大きく、元本割れや想定を超える損失が生じる可能性があります。取引を行う際は、ご自身の判断と責任に基づき、最新の経済指標や政策発表、相場環境をご確認のうえ、十分なリスク管理を行ってください。

特に重要経済イベント(例:米CPI、FOMC、各国中銀の政策決定など)の前後は、市場が急激に変動する可能性が高いため、新規ポジションの建てやレバレッジ取引には十分ご注意ください。

要約(短期/中期方向+確信度)

  • 現値(代表バー・H1):約 3975.9
  • 短期(〜数日)
    • 3950〜4030のレンジ内での持ち合い〜やや戻り売り優位
    • 上は 3990–4030 に重い抵抗、下は 3925 付近にストップ密集ゾーン。
  • 中期(数週〜数か月)
    • 月足・週足は依然強烈な上昇トレンドだが、RSIが月足で 89 近辺とかなり加熱。
    • いったん高値からの調整フェーズに入っており、「押し目買いを狙いたいが、どこまで押すか慎重に見たい」局面。
  • 総合方向感(CIスコア)
    • テクニカルTC ≒ 0.49(やや弱気寄りの中立)
    • ファンダFC ≒ 0.56(中期やや強気)
    • 中銀・センチメント等を統合した CI ≒ 45%(「方向性はあるが、ノリノリで張れるほどではない」レベル)

→ 一言でいうと
「超長期は強気継続、足元は高値圏での調整レンジ。短期は戻り売り優位だが、3900 割れからは下ブレ加速リスク」
という評価です。


ファンダメンタル分析(FC層)

マクロ・金利・実質金利

  • 2025年、金価格は年初来で約50%上昇、10月に史上最高値約4,400ドルを付けた後、現在は4,000ドル前後で推移。
  • 米10年TIPS実質利回りは直近で 約1.8% とプラス圏で高止まり。通常、実質金利↑は金に逆風
  • 同時に、10年名目利回りは約4.1%と高水準で、Fedは「追加利下げは急がない」スタンス。これは金のキャリートレードのコストを押し上げる要因。

→ 金利面は短期的にはマイナス要因>プラス要因。中期では、将来の利下げ・インフレ再燃シナリオが再び追い風になりうる状況。

中央銀行・ETF フロー

  • 世界の金需要は 2025年Q3に前年同期比+3%、四半期ベースで過去最高の1,313トンに到達。投資需要(バー・コイン+ETF)が主牽引。
  • 中央銀行はQ3に約220トンの純買いと、前四半期比で増加。2024年も年間1,000トン超の買い越しで、構造的なリザーブ分散需要が続いている。

→ 中銀・長期投資家からの構造的な買い需要は依然強い。これは中期的な下値の厚さを示唆。

実需・地域別需給(アジア)

  • 中国では 10月の史上最高値後、11月から一部の金取引に対する増値税優遇の縮小が発表され、リテール需要にはマイナス。
  • インドでは祭礼シーズン後に国内価格が高値から調整した結果、プレミアムからディスカウントに転じ、実需は一服
  • 宝飾需要は価格高騰の影響で世界的に減少しており、アジアの小売店は量ベースで30〜40%の落ち込みを報告。

→ 投資需要が実需の弱さを補っている構図。価格調整が進めばアジア実需が戻る余地はあるが、現時点では「高値疲れ」が強い。

センチメント・ボラティリティ(VIXはSF層でのみ使用)

  • VIX(恐怖指数)は直近19前後。歴史的には「やや不安定だがパニックではない」レンジ。
  • AI関連株の調整などで株式市場が揺れる中、金はセーフヘイブン需要で4,000ドル台を維持しているが、直近は10%調整ライン(約3,923ドル)を意識した「バブル後半戦」の様相。
  • 複数ハウスのリサーチでは、「中央銀行買い+ETF流入+地政学リスク」による構造的強気と、「実質金利上昇・ドル反発・ポジション過多」による循環的調整リスクの両方が強調されている。

総括(Fundamentals)

  • 中長期:
    • 中銀・長期投資家の買い、地政学リスク、ドル不安などから長期構造は強気(FC ≒ 0.56)
  • 短期:
    • 実質金利は高く、価格はYTD+50%の高値圏、アジア実需は一服。
    • ここからさらに一段高というよりは、**「調整を挟みながらの高原相場」**になりやすい。

→ ファンダ単体では「押し目買い目線だが、今この位置で全力ロングはさすがに怖い」という評価です。


テクニカル分析(TC層)

マルチタイムフレーム構造

(代表値はすべて直近バー・終値 3975.9 近辺)

  • 月足 MN1
    • Close ≫ MA200(約2241)・MA50(約2840)で超長期上昇トレンド
    • RSI ≈ 89.5、ADX ≈ 82 → 「トレンドは極端に強いがかなり過熱」。
  • 週足 W1
    • Close > MA20 > MA50 ≫ MA200
    • RSI ≈ 67.6、ADX ≈ 61.7 → 強い上昇トレンド継続だが、オーバーボートゾーン手前。
  • 日足 D1
    • Close(3975) < MA20(約4082)だが > MA50(約3867)、RSI ≈ 49.4、ADX ≈ 28 →
      日足は一旦トレンド休憩モードの調整レンジ
  • 4時間足 H4
    • Close ≈ 3976、MA20/50/200 は3990付近に集中 → 上から押さえられているフラット〜弱めのダウントレンド
    • RSI ≈ 47.4、ADX ≈ 19.6 とトレンドは弱い。
  • 1時間足 H1
    • Close 3975.9
    • MA20 ≈ 3976.2、MA50 ≈ 3971.8、MA200 ≈ 3996
    • MA20の10本スロープは +17 で短期的には上向きだが、価格はMA200の下で推移。
    • RSI ≈ 51.2、ADX ≈ 32.2 → 方向感弱めのレンジ〜微上昇

→ **上位足は強烈な上昇トレンド、下位足は「高値圏レンジでジグザグ」**という多階層構造。

ボラティリティ・レンジ(ATR, Donchian, SQZMOM)

  • ATR_eff = max(ATR_H1, ATR_H4) ≒ 25.6 →
    ざっくり ±25〜40ドル/日 くらいは平常運転の値動き。
  • H1 Donchian(5期間):
    • 上限 ≈ 3984.9、下限 ≈ 3964.5、中央値 ≈ 3974.7
  • H1 Donchian(20期間):
    • 上限 ≈ 3990.3、下限 ≈ 3956.1、中央値 ≈ 3973.2
  • 直近3日の高値・安値:約 4030 / 3928
  • SQZMOM(ボリンジャー+ケルトナーの「スクイーズ」系指標に類似)値は +7.1付近まで低下しており、強烈トレンドフェーズから一段落してモメンタムが徐々に剥がれてきている状態と解釈。

オシレーター・トレンド指標

  • MACD(H1)
    • MACD 2.56、Signal 3.49 → わずかにデッドクロス気味で、短期上昇モメンタムは鈍化。
  • RSI(各足)
    • 月足:89(完全に過熱)
    • 週足:68手前(強気トレンド帯)
    • 日足〜H4〜H1:ほぼ50前後(ニュートラル)
      → 「長期は行き過ぎ、短期は一服」という典型的な調整局面の配置。

需給系:OBV・VWAP

  • H1 OBVは直近100本で +2万程度の微増 → 強い売り崩しはなく、高値圏でも押し目ではそこそこ買われている
  • H1 VWAP(全期間ベース):約 3998.8
    • 現値 3975.9 は VWAPを下回る位置 →
      「ここ数日の平均コストより下で取引されている=短期プレイヤーの含み損がやや増えている」構図で、戻り売りが出やすい。

パターン認識・チャート画像由来の pattern_score

チャート画像(H1〜H4ベースの拡大図)から読み取れる主な構造:

  • 長大な上昇トレンド後、
    • 黄色の下降チャネルが中期を支配
    • その中で、直近価格はやや収束する下降ウェッジ / 三角持ち合いの終盤付近
  • 下側には太い白ライン・シアンラインの長期トレンドサポートが走り、現在値はその直上付近。
  • 上側はチャネル上限+複数の傾きの違うレジスタンス(R1〜R3)で「上は重く、下はトレンドサポート」という非対称構造。

これらを統合し、画像寄与の制約(上限 +0.10)内で

  • pattern_score = +0.06

と設定(弱めの上方向バイアス)。
TCベーススコア(0.43)に +0.06 を加味し、最終的な TC ≒ 0.49 としました。

総括(Technicals)

  • 超長期〜中期
    • 明らかな強気トレンドだが、月足RSI 90近辺は「バブル臭のする高値圏」。
  • 短期(H4〜H1)
    • VWAP下での持ち合い、MACDデッドクロス気味、Donchian上限が頭を抑える → 戻り売り優位のレンジ
  • サポレジざっくり
    • 抵抗:3990〜4030(VWAP+Donchian上限+最近高値)
    • サポート:3955〜3965(H1下限)、さらに下は 3925〜3900(直近安値〜日足Donchian下限 3886 近傍)

→ テクニカルだけ見ると
「上は重いが、長期上昇トレンドの中の高値圏レンジ。短期は戻り売り、深押しでは押し目買い候補」
というバランスです。


トレードプラン(Entry / TP / SL / LCZ)

※これはあくまで「戦略例」です。実際の資金管理・許容リスクに合わせて調整してください。

前提パラメータ

  • 代表価格:3975.9
  • ATR_eff:25.6
  • 想定1日変動レンジ(1σ〜1.5σイメージ):±20〜40ドル

シナリオA:レンジ上限からのショート(ベースケース)

  • 狙い
    4000近辺までの戻りを待って、VWAP+Donchian上限付近から戻り売り
  • Entry(E1・売り)3990
  • TP13928(直近3日安値ゾーン手前)
  • SL14035(3日高値4030を明確に上抜けたら撤退)
  • 期待RR:およそ 1 : 1.38
  • コメント
    • 3990はH1 Donchian20上限&VWAPに近いレベルで、短期ショートの「美味しい戻り候補」。
    • 3928は最近の下値クラスターで、ここまでは素直に押しやすいエリア。
    • 4035を超えてくると、ブレイク上昇シナリオ(シナリオB)に切り替える方が合理的。

シナリオB:高値更新ブレイクからのロング

  • 狙い
    4030〜の高値ゾーンを明確にブレイクした場合、トレンド再開の上振れを追う。
  • Entry(E2・買いストップ)4040
  • TP24090(日足MA20≒4080を少し上抜ける想定)
  • SL24002(約1.5×ATR_eff 下)
  • 期待RR:およそ 1 : 1.32
  • コメント
    • フェイクブレイクも多いので、サイズをシナリオAより控えめにするのが無難。
    • ブレイク後すぐに4000割れに戻るなら、明確に失敗とみなしてクールに撤退。

LCZ(Liquidation Caution Zone:ロスカット連鎖警戒帯)

  • ゾーン3880〜3900
    • 日足Donchian20下限(約3886)付近で、短期ロングのストップが溜まりやすい水準。
    • ここを一気に抜けた場合、**「高値バブルからの一段深い調整」**がトリガーされる可能性。
  • このゾーンに到達した場合は
    • レバロングは一段軽くする
    • 新規ショートはボラ急拡大に注意しつつ短期デイトレに限定
      くらいの慎重さが欲しいところです。

リスク・不確実性(Bayesian信頼区間イメージ)

Bayesian Neural Network(BNN)のように、予測値だけでなく「不確実性(分散)」を見るアプローチをイメージして、ATRベースで簡易的な信頼区間を作ると:

  • 現値:3976 として、
  • ATR_eff ≒ 25.6 を1.2σ程度とみなすラフなモデルを置くと、
    • 68%相当帯
      • 約 [3955, 3997](±20ドル)
    • 95%相当帯
      • 約 [3935, 4017](±40ドル)

BNNを用いた株価予測研究でも、「ボラが急騰する局面では予測分布が広がり、点予測精度よりも区間推定の方が意味を持つ」ことが示されています。

ここでのCI ≒ 45% は
「方向性のシグナルはあるが、95%区間レベルでは上下どちらにも大きく振れうる」
というニュアンスで理解するのが健全です。


結論

  • ファンダ:
    • 中銀・ETF・地政学リスクで長期強気は揺らいでいない。
    • ただし実質金利が高く、価格もYTD+50%の高値圏 → 循環的な調整入りの公算大。
  • テクニカル:
    • 超長期は強烈な上昇トレンド。
    • 短期はVWAP下のレンジで、戻り売り優位だが、下もそれなりに堅い
  • 戦略的には
    • 3990〜4000 の戻り売り(シナリオA)と
    • 4035〜ブレイクの小さめ追随ロング(シナリオB)
      の両方を用意し、3900割れではリスク管理を最優先するのが現実的なスタンスです。

マーケットとしては「ゴールド長期強気ストーリー」はまだ死んでいませんが、今この瞬間は“押し目待ちに押し目なし”ではなく、“押し目はちゃんと深く来るかもしれない”フェーズに入っている、という認識を持っておくと冷静でいられます。

出典リンク

金需給・価格関連(World Gold Council・ニュース)


金利・実質金利・マクロ見通し(FRED・IMF など)


ボラティリティ・VIX関連


補足:WGC 米国需要・地域別情報

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